「Yahoo! MAP」でショッピングモールや水族館の混雑状況チェック可能に
Yahooはスマートフォン向け地図アプリ「Yahoo!MAP」で行楽施設の混雑状況を確認できるようにアプリをアップデートしました。
全国のスーパーや薬局など約2万8000店の混雑状況の表示は6月1日より可能となっていましたが、今回のアップデートで大型商業施設、動物園、水族館などの行楽施設約2000件の混雑状況の確認が新たにできるようになります。施設ごとの混雑状況は、施設をタップすると「混雑」「通常」「緩和」の3段階で表示されます。
また、今回のアップデートでは曜日ごとの混雑状況や当日の混雑状況をそれぞれ棒グラフと折れ線グラフで1時間ごとに表示する機能も追加され、混雑状況を分かりやすくしています。一部の施設では混雑状況の推移も掲載され、「人が増えてきています」「人の増減はそれほどでもありません」「人が減ってきています」といった情報がグラフ上部に表示されます。
これらの混雑状況のデータはYahooが提供しているアプリで位置情報の利用を許可しているユーザーのデータを元に算出されています。今回、「Yahoo!MAP」に機能が追加されましたが、「Yahoo!検索」でも6月30日より提供を開始することのことです。
─ YODOQの見方───────────────────────────
位置情報を収集する方法として、アプリに開発キットを組み込んで位置情報を収集するベンダーは多くいます。
ベンダーの多くは自社のソフトウェア開発キットをアプリに組み込んでもらえるようアプリ開発者に依頼し、組み込んだ開発キットより位置情報を収集します。
開発キットが組み込まれるアプリには、地図アプリや天気アプリなどユーザーが位置情報の共有が必要と感じるアプリがある一方、電卓アプリや懐中電灯アプリなど位置情報の共有の必要性を感じないアプリもあります。ベンダー各社は先にユーザーに同意を求めてから位置情報を収集しているとされていますが、そのデータの利用目的や利用する企業の種類などの情報をユーザーが完全に理解してアクセスを許可しているとは限りません。
そんなアプリ開発者に対して、Googleは位置情報にアクセスするアプリに対して事前の承認プロセスを義務付けるというポリシー変更を2020年後半に計画しています。電卓アプリや懐中電灯アプリなど不必要に位置情報を収集しようとするアプリを締め出し、ユーザーのプライバシーを保護することが狙いです。
Googleには位置情報へのアクセス許可をもっとコントロールできるようにしてほしい、アプリがどのようにデータを使っているのかについて透明性を上げてほしいとユーザーからの声が届いています。Android 10では、使用中のアプリにのみ位置情報へのアクセスを許可することができるようになっています。また、Android 11では機密性の高いデータへのアクセス許可を「一度だけ許可する」として一時的に与えられるようになり、より細かくユーザーがアクセスを制御できるようになりました。また、Googleが調査したところ、バックグランドで位置情報をリクエストしているアプリのうち、多くは実際には位置情報を必要としていないアプリであることが分かりました。そのため、アプリが表示されている間のみ位置情報を収集しても、同じような機能の提供ができるということになります。
ポリシー変更のスケジュールは下記のようになります。
2020/08/03 新規登録アプリに対してGoogleの事前の承認が必要
2020/11/03 既存の登録アプリに対してGoogleの承認が必要
※スケジュールは変更になる可能性があります
Googleの承認の審査の要素は以下のようになる見込みです。
・その機能はユーザーに明らかな価値を提供しているか
・ユーザーはアプリがバックグラウンドで位置情報にアクセスすることを予期できるか
・その機能はアプリの主な目的を実現するために重要か
・バックグラウンドで位置情報にアクセスせずに同じエクスペリエンスを提供できないか
iOSでも位置情報の管理機能を導入しており、iOS 13のリリース以降、バックグラウンドで共有される位置情報データは減少しています。世界各地で新たなプライバシー規制が登場しており、今後ますます位置情報などの収集が難しくなると思われます。この機会に自身の電子機器の位置情報設定を確認してみてはいかがでしょうか。