災害情報SNSで収集、自治体4年で10倍に 人口規模大きいほど活用
災害発生時にツイッターやフェイスブックなどのSNS(ネット交流サービス)を使って救助要請や被害状況などの情報を収集する自治体が、2016年度から4カ年で約10倍に増えたことが内閣官房IT総合戦略室の調査で明らかになった。毎日新聞の独自調査では、人口規模の大きい政令市や特別区ほど活用割合が高いことも判明。SNSが人々の生活に欠かせないツールとなり、効果的な活用法を模索する自治体も現れている。
災害時のSNSの活用に関しては、内閣官房が17年に自治体を対象として活用方法や注意点をまとめたガイドブックを作成。SNSで災害の発生状況を把握する場合に情報を捕捉しやすい検索ワードの組み合わせなどを紹介したり、SNSの活用において先進的な自治体の取り組みを掲載したりした。
東京大大学院の田中淳特任教授(災害情報論)は、「災害時は使える情報は全て使うのが鉄則。全国の自治体が河川の水位計などの各種センサーを災害覚知に使うように、SNS情報も覚知のきっかけとなり、被害の広がりを把握するのにも有効な手段となり得る。そうした手段として全国の自治体が効率的にSNSを活用できるよう、国も環境整備を支援すべきだ。また、情報収集に当たる職員を確保できない自治体への財政支援も必要だ」と話している。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/e060673ac2045fbfbcf2f5c31b0bc08dfd946127
─ YODOQの見方───────────────────────────
自治体で採用しているSNS情報分析システムについて調べました。
記事にあるように官製のシステムとしてはDISAANA(ディサーナ)、D-SUMM(ディーサム)が挙げられます。
参考:災害対応におけるSNS活用ガイドブック
これらのシステムは、SNS(ツイッター)上の災害関連情報をリアルタイムに深く分析・整理して、状況把握・判断を支援し、救援、避難の支援を行う質問応答システムです。
民間企業がこのシステムを元にして「高度自然言語処理プラットフォーム」として製品化もしています。
参考:Twitter上の災害関連情報を解析・可視化――、NECが新ソリューションを提供
しかし、上記の官製のシステムは現状では、導入事例が無いまたは試験段階となっており、実際に自治体へ導入されているリアルタイム防災・危機管理システムは以下のようです。
参考:SPECTEE
本製品は報道機関の情報収集用に開発されたということもあり、画像、映像を抽出でき、地図表示機能もあるため状況把握に効果的です。また、自治体にとってはリアルタイムに情報収集が可能なため、災害対応の初動を早めることにもつながります。
自治体の災害対策の一環としても効果的なシステム利用であると同時に、自然言語処理の発展と活用のよい事例であると考えます。