ペットボトル「ラベルレス化」

飲料メーカー各社がペットボトル飲料の商品ラベルがない「ラベルレス商品」を拡充させている。プラスチックごみの削減につながるだけでなく、処分時にはがす手間も省けるのが理由。完全ラベルレス化は経済産業省による省令改正で可能になった。新型コロナウイルスの影響による「巣ごもり消費」を追い風に、相次いで新商品が登場している。

今までリサイクルマークは、ラベルに記載するかシールとして貼り付ける必要があったが、3月31日に「資源有効利用促進法」の一部が改正されたことで、ペットボトルに直接刻印することが可能になった。これにより年間で7tのプラスチック樹脂量の削減を見込めるそうだ。

引用:ペットボトル「ラベルレス化」 処分も手間いらず 新商品相次ぐ

─ YODOQの見方───────────────────────────

そもそも商品を売るためには、原材料やリサイクルマークなどを明記する義務がある。(食品表示法、資源有効利用促進法)
原材料の点で言えば、その商品が入っている包装(段ボールなど)に明記することができるが、リサイクルマークは商品そのものに明記する必要があり、更にはラベルやシールなどを使い表記する必要があった。しかし、今回の法律改正でペットボトルへの直接の刻印が可能となったため、完全ラベルレス化が実現した。

だが、原材料などを箱に明記する仕様のため、現状バラ売りができない。そのため現在は箱単位での販売しか行っていない。
バラ売りするために直接ペットボトルに必要な情報を印字しようにも、使用したインクがリサイクル工程に影響する。それを防ぐためペットボトルを少し傷つけて、あたかも白色の文字がプリントされているように見える技術は開発されているが、1万ナノメートル(髪の毛の更に10分の1の細さ)の傷をつけるという緻密な作業が必要なためコストも時間もかかる。1分間に1000本も生産されているペットボトルにおいて、このデメリットはかなり大きいものだ。
2022年の発売に向け、現在も速く正確に印字する技術の開発は行われている。
参考:リコーがレーザー技術でプラスチックごみ削減

コンビニなどで手軽にラベルのないペットボトルを購入できる未来もそう遠くはないだろう。
ただそうなると、飲料の色が同じ場合、ぱっと見では違いが判らなくなるため、今度はペットボトルの形などで違いをつけていくことが必要になるのではないだろうか。
また、今までは飲料の色の違いについてあまり意識していなかったが、ラベルレス化に伴い、それぞれの微妙な色の違いに気づくことが増えるだろう。例えばお茶なら濃さや濁り加減など、いままで気にも留めなていなかったことに気づくようになっていくのではないか。