コロナで行けなくなった訪問先へ VRで「バーチャル修学旅行」
新型コロナウイルスの影響で各地の学校で修学旅行の中止が相次ぐ中、教室と本来の訪問先をオンラインでつなぐなど、新たな形での修学旅行を模索する動きが広がっています。
このうち東京 町田市にある日本大学第三中学校では11月7日、3年生およそ110人が「バーチャル修学旅行」に参加しました。
本来の修学旅行は中止になりましたが、生徒たちは教室に用意された専用のゴーグルをスマートフォンにつなげると、訪れる予定だった京都や奈良の名所などおよそ10か所を疑似体験することができます。清水寺の舞台や奈良公園の鹿などが立体的に映し出されると、生徒たちは歓声を上げていました。また、漆器に色を付ける体験では、京都にいる講師からテレビ会議システムを通じて指導を受けていました。
─ YODOQの見方───────────────────────────
これを見た時、僕は生徒達の「ある程度落胆した反応」を予想していたのですが、「めっちゃ鹿とか触れそうで・・・」と興奮していた姿にやや愕然としました。「修学旅行ってそういうものではないやろ!」というのが僕の気持だったわけですが、同時に「ああ、ついていいけない」とも思いました。
●バーチャル修学旅行とはどういうものか
JTBで既に商品化されていましたので紹介します。
JTBが商品化したリアル×VR 新感覚体験型旅行「バーチャル修学旅行360」はデジタル技術を駆使して子どもたちと観光事業者との交流を創造し、ニューノーマル時代における子どもたちの思い出づくりや学びの機会を保障し、更には観光事業者がこどもたちにサービスを提供する機会を創出するためのプログラムとして開発されました。
プログラム概要:京都・奈良編
「京都・奈良編」は、(1)360度VR映像体験、(2)伝統文化体験、(3)オンライン交流、(4)その他オプションの4つで構成されており、子どもたちはこれらすべてを学校の教室や体育館などで体験することができます。
・360度VR映像体験
通常は立ち入ることのできない場所や人の目では見ることのできない角度からの映像など、バーチャルならではのスペシャルな映像で、子どもたちを修学旅行の世界に引き込みます。
・オンライン交流
舞妓、旅館の女将、バスガイド、タクシー運転手など、修学旅行で出会うはずだった様々な方々と、学校からオンラインを使って交流します。
●バーチャルの旅行を憂いている意見はないのか
「旅行しないツーリズムは成立しえるのか?」というタイトルのブログで次のような言葉があったので紹介しておきます。
「旅行しないツーリズム」、つまり「旅のオンライン化」が進めば進むほどリアルな旅行への渇望というのは強くなるはずだ。「オンラインの旅」と「リアルの旅」は両輪で進めていくべきだろう。「リアルな旅」の復活まで、「旅行しないツーリズム」には目が離せない。
代替品なのかもしれませんが、代替品としての価値、可能性は上がっている。と私は捉えました。
●仮想的な体験は今後どのように進化していくのだろうか
今後2030年には五感で体験する「感覚のインターネット」がトレンドに、という記事を見つけました。
おそらく「感覚」の最後の未開拓分野であろう味覚も、2030年にはこのトレンドの一部になっているはずだ。口の中に入れたデバイスによって、食べ物の味をデジタルテクノロジーで変化させ、どんなものでも自分の望み通りの味に変えられる未来を想像してほしい。それが現実になるかもしれない。
●コロナ禍において思うこと
色々な技術に、背に腹は変えられないという形で進化が起きました。また、在宅勤務、印鑑廃止といった価値観の変化も強引という形ではありましたが浸透しつつあります。
気が早いかも知れませんが、コロナ後にはコロナ禍に起きたイノベーションの整理が起きると思います。そして真に価値のあるものは、さらなる進化を遂げることでしょう。ビジネスの場においても、個人としても覚悟が必用だとつくづく思いました。