不法残留疑い、AIで分析、五輪で水際対策強化

出入国在留管理庁が、不法残留する疑いがあるとして入国審査を厳格にすべき「要注意人物」を検知するため、過去の残留事案に基づく傾向分析や航空機の予約情報との照合にAI(人工知能)を使ったシステムを7月から導入したことが7日、同庁への取材で分かった。東京五輪の開幕に合わせた水際対策強化の一環で、AIの導入で要注意人物の高度な分析や迅速な照合を図り、不法残留の減少につなげたい考えだ。
入管庁では従来、入管難民法などに基づき、海外を出て日本に向かう航空機の運航会社から、各機の日本到着72時間前と、出発直後に乗客予約記録の提供を受けている。搭乗予定者の国籍や渡航日程、荷物の重量など35項目に及ぶ記録を入管庁で分析し、テロへの関与や不法残留する疑いがあると判断すれば、各空港の入管支局に情報を提供。該当者が入国審査ブースを訪れた際に速やかに別室に誘導し、入国審査官が上陸を許可するか厳格に審査してきた。
ただ、最終的な予約記録の入手から入国審査まで数時間しかない場合もあり、「分析や照合にかける時間が十分でない(担当者)のが実情だった。そこで、より高度な傾向分析や予約記録とのスピード照合を図るため、AIによる傾向分析や、分析を自動照合する「ルールエンジン」を組み合わせたシステムを7月1日から試行的に導入した。
AIなどの活用で、担当者がマンパワーで行っていた作業の大半を自動化できるだけでなく、従来は十分に活用できていなかった予約記録の情報をくまなく分析することが可能になる。また8月下旬からは、国外退去処分歴のある人物やテロリストを掲載した「ブラックリスト」との自動照合システムの更新に伴う導入で、8月下旬からの本格稼働を予定している。
入管庁の担当者は「AIを使うのは慎重審査すべき対象者を絞るまでで、最終的に入国審査官が上陸許可するか見極めることには変わりない」としている。

引用:不法残留疑い、AIで検知 入管庁、五輪で水際対策強化

─ YODOQの見方───────────────────────────

■不法残留の現状や理由
不法残留の現状は、出入国在留管理庁によると令和2年7月1日時点での不法残留者数は8万2612人で、年々上昇しています。また国別に見てみると、不法残留が多い国の1番目はベトナムです。その中でも在留資格別に見てみると、技能実習ビザと、留学ビザが多いです。技能実習生、留学生の増加に伴い、不法残留者も増加しています。その理由としては、技能実習生ではさまざまな理由で失踪者になった者、留学生は退学になった者が、引き続き日本に在留しているためと推察されています。
個人的には、現在はコロナの影響で解雇や内定取り消しにあったり、アルバイトで生活費を賄っていた留学生が収入源を無くし、学校を辞めざるを得なくなった結果、不法滞在に繋がるケースが増えているのではないかと思います。

■AIの技術関係なく、海外旅行に行った際、不法滞在を疑われる可能性がある特徴
・服装や持ち物がおかしい
服装に関しては、あまり貧しそうな格好をしていると、 不法就労や犯罪の疑いを抱かれることもあるため、 空港では少々こぎれいな服装を心がけておくと無難です。また、荷物の量があまりに少ないと不審に思われることもあります。TPOに合わせるのは服装だけではなく、荷物の分量も適切にといえます。

計なことまで話す
大半の場合は、無言で入国審査が終わります。しかし、その一方で滞在目的を聞かれることもあります。その時に、観光とだけ答えればいいものをわざわざ友達や恋人と会うであったり、ホテルじゃないところに泊まると言ったりすると不法滞在の可能性があるのではないかと疑われ、根掘り葉掘り聞かれることが多く別室に連れて行かれやすくなります。

・フライトのルートが特殊な場合
日本人が通常は利用しないような区間の場合、搭乗した飛行機が空港に着いた時点で疑われることがあるようです。それは、単になぜそのルートを使ったんだ?という疑問から別室に誘導されるのかと思います。

・繰り返し入出国している場合
しかし、これは入国審査で出国用の航空券をあらかじめ予約しておいて、いつでも提示できる状態であれば避けられるかと思います。

今回、ご紹介した記事では過去のデータを参考にAIで慎重審査すべき対象者を絞るまでを行い、最終的に入国審査官が上陸許可するかを見極めるという内容でした。
海外でもこのようなAIを使っての分析などを行っているかはわかりませんが、何かしらの入国基準の項目はあると思いますので、コロナが落ち着いて海外旅行に行く機会がでてきたら、上記4点に気を付けて海外旅行を楽しんでください。

参考:入国審査に引っかかる行動の5つの代表例