発売2年で10万個!精密部品メーカーがポケモンの「モンスターボール 虫かご」を製造

こちらの商品、読んで字のごとくモンスターボール型の虫かごになっています。料金は1,430円と少しお高く、100円均一でも虫かごを購入できるこの時代に売れるのか不安だったようです。製造のきっかけは社員から「モンスターボール型の虫かごがあったら面白いのでは」といった意見が出たこと。社内には試作品の作成や商談時に活用する3Dプリンターがあり、早速形にして発売元(株式会社タカラトミー)に提案。

虫かごといえば子供用に購入することが主になると思うのですが、意外と大人の購入者が多い様子。使用用途としてはぬいぐるみやお菓子を入れるなど、虫かご以外の使い方をして楽しんでいるようです。

ポケモンは原作者が幼少時代に楽しんだ昆虫採集が誕生の原点で、SNSではこのようなストーリー性から「ゲームとしての原点回帰」ともいわれるようになっています。2021年6月には「マスターボール虫かご」(1,650円)の販売も開始しています。

引用:ITmedia

─ YODOQの見方───────────────────────────

ご紹介した商品がどうやってライセンス(利用許諾)を得たのかを知りたかったのですが情報がなかったため、「ライセンス」について調べました。

ポケモンを例に挙げると、原著作権者は3者存在しています。
・任天堂
・ゲームフリーク
・クリーチャーズ
上記3者のようにな著作権を利用される側はライセンサー。
ライセンサーの著作物を利用し、製造・販売等行う者をライセンシー(利用する側)といいます。そして、ライセンシーが製造・販売を行った商品を購入するのが我々ユーザーです。

「モンスターボール 虫かご」では、販売元の株式会社タカラトミーがライセンサー。製造元の株式会社キャステムがライセンシーだと思われます。(正確には株式会社ポケモンの米国子会社と株式会社タカラトミーの米国子会社がライセンス契約。株式会社ポケモンは原著作権者とライセンス契約を行っている。)

また、商標登録を行うのにも「知的財産権を誰かに利用させる」ことが条件になっています。キャラクターだと「著作権(デザイン(制作者の利益を守る))」「商標権(キャラクター名やロゴなど)」「意匠権(デザイン(国の発展に貢献し得る))」の三つの知的財産権が主に存在しているようです。

こういった複雑な契約関係があるからこそ必然と値段は高くなりますが、既存のユーザーの購入が見込めるというメリットは大きいでしょう。オリジナル製品の場合、一から作るコストに加え、どれほどユーザーの関心を得られるのかも未知数ですし、なにより認知されることから始める必要があります。
商品を作る上で著作物を使用するのか、オリジナルの商品を作成するのか、どちらがいいのか一度考えてみてはいかがでしょうか。

参考:ポケモンGOで学ぶキャラクターライセンスビジネス基礎講座