税金を重複納付できるバグ? 「地方税お支払サイト」で 過払い3000万円
地方税共同機構は6月13日、オンラインで地方税を納入できる「地方税お支払サイト」で、不具合により税金の重複納付が発生したとして謝罪した。636件で合計約3000万円が本来支払うべき額に加えて過剰に納付された。問題発生時期は5月8日午後4時から9日午前6時。同サイトでは決済完了通知が届くまでの間、納付書1つにつき複数回納付できる仕組みになっている。
アクセス集中で決済完了通知が遅延したのが重複納付の原因としている。9日にはシステムを増強し、通知の遅延は発生していないとしている。重複納付があった自治体(124団体)には問題を報告済み。過剰に納付された税金については各自治体から還付の案内を出す。
引用:税金を重複納付できるバグ? 「地方税お支払サイト」で過払い3000万円
─ YODOQの見方───────────────────────────
この地方税お支払いサイトでのトラブル、バグは、特に珍しいことではなく、今年4月21日のヤフーニュースで、日本航空(JAL)でも、アクセス集中による重複購入といった同じようなトラブルが起きています。
地方税お支払いサイトを管理する地方税共同機構は、このトラブルの対応として、システム増強を行いました。一方、JALはというと、アクセス集中が起こった際、「仮想待合室」を設けるといった対応を行いました。同じような事象でも違う対応を行うのは、システムの目的や、規模感、予算など、総合的な判断によるものなので、どれが正しいということではなく、システムによるとしか言えないのですが、JALが行なった対応の「仮想待合室」がとても気になりました。
今回の地方税お支払いサイトでは活用できないのか、そもそも「仮想待合室」とはどのようなものなのか、大規模なシステムでないと導入は難しいのか、弊社でも導入を検討する価値はあるのか気になったので調べました。
【仮想待合室】
仮想待合室(Virtual waiting room)とは、Webサイトへのアクセスが集中した際に、オンライン上の「仮想待合室」に誘導し、順番にサイトへご案内いたします。仮想待合室内では、サイトの混雑状況や待ち時間の目安などを確認いただけます。
このサービスはアクセスが集中した際、接続が遅延したり、サイトが落ちたりするのを防ぐことができ、先着申し込みに関してはとても有益なサービスだと言えます。今回取り上げた記事の地方税お支払いサイトでの対応策としては目的が異なっているため、対応としては不適切でしょう。
そこで、弊社が保守を行っているお客様で利用してみる価値がありそうなサイトを考えたとき、あるチケット販売サイトで導入を検討してもいいのではないかと思いました。今年のチケット販売開始時には、アクセス集中によるトラブルが発生したことにより、お問い合わせの電話が殺到したようです。
この「仮想待合室」サービスを導入することで、この現状を打破できるのかもしれません。もちろん、チケット販売システムに導入が可能なのか、導入にあたってのリスク、予算などを綿密に調査しないといけませんが、検討する価値はあると思います。
【まとめ】
アクセス集中が原因で申し込みデータが重複してしまうことの対応策である「仮想待合室」について取り上げました。このサービスは、アクセス集中によって起きる問題の絶対的な対応策となるものではなく、利用目的に合致していなければ導入効果は見込めません。ですが、目的が合致していれば、アクセス集中によって起こる問題を、簡単に解消できる可能性があります。弊社でも検討する価値があるため、より深く調査し、より良いサービスの提供ができるよう努めます。