生成AI使ったゴミ出し案内サービスの導入断念 香川 三豊市

生成AI「ChatGPT」を使ったゴミ出し案内サービスの実証実験を進めていた香川県三豊市は、AIによる正しい回答の割合が目標に届かなかったことから、本格導入を断念しました。三豊市と東京大学大学院の松尾豊教授の研究室は今年6月から、「ChatGPT」を使ったゴミ出し案内の実証実験を開始しました。市のホームページの専用画面でゴミの種類や内容などを入力すると、AI=人工知能が分別や処分の方法を考えて文章で表示するものですが、正しい回答の割合が62.5%にとどまったため、7月7日に実証実験を休止しました。そのあと、さまざまな改善を行って、10月23日から先月末まで2回目の実証実験を行いました。正答率が99%まで向上すれば導入に向けて準備を進めることにしていましたが、2回目の実証実験でも正答率が94.1%にとどまったことなどから、本格的な導入を断念することを決めました。三豊市では「今回得た知見を生かし、市役所全体で、市民サービスの向上のためにChatGPTが活用できるか探っていく」としています。

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231220/k10014292781000.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

記事に掲載されている香川県三豊市で導入に至らなかった経緯として大きく下記3点があげられる。

・AIには少なくとも職員と同等のレベルを求め、それに達しない限り対市民向けとしては導入できないと考えた
・AIがどのように回答したかを結局のところ職員が確認する作業が伴い、正答率が低ければそれだけ確認する頻度も上げなければならない。100%は無理としても99%は譲れない条件だった
・誤った回答をしないように曖昧な回答については直接問合せする旨の文言を表示していた。これにより結局職員の負担の削減率は低いことも分かった

一方で、生成AI「ChatGPT」を使ったゴミ出し案内サービスを導入している自治体も存在する。
ただし、どのサービスにおいても上記点をクリアできているとは言えない。
参考:三鷹市ごみ分別案内

システム導入の失敗例として挙げられている本記事だが、開発コストも掛かった上で断念することは難しい判断だろう。
しかし、要求レベルに達しない状況で運用することのデメリットが考慮された上での導入断念ということで、市民にとっては良い判断だったといえるだろう。