SNSで話題の音声会話型AI『Cotomo』は単なるデジタルオウムか、それと も“話し相手”か

『Cotomo』の特徴は「会話を目的とした独自開発のAI」と、「豊富な選択肢によるパーソナライズ」にある。『Cotomo』は「話したいことも、話せないことも。」をコンセプトに日常会話に特化し、AIがそのコンセプトに沿ったアウトプットをしている。iOS版のアプリのみが現在リリースされている。ただ、現在は同じ質問や相槌を繰り返したり、こちらの質問への回答が不自然であったり、会話が噛み合わないことが多く、「コミュニケーション能力」が高いとは言いがたい状態だ。

自分よりもコミュニケーション能力や共感力が明らかに低い存在に対して、気軽に話せないことを聞いてもらいたい人はおそらくほどんどいない。逆に言うと、コミュニケーション能力や共感力が高い相手に話を聞いてもらえるのであれば、お金を払う人さえいる。キャバクラやホストクラブのようにコミュニケーションに価値を見出せるほどの「コミュニケーション能力」を体得できるか、AIの学習速度に注目したい。

引用:SNSで話題の音声会話型AI『Cotomo』は単なるデジタルオウムか、それと も“話し相手”か

─ YODOQの見方──────────────────

Androidユーザーのため自分で体験することはできていないが、記事内でも紹介されているYouTuberのHIKAKINが公開した動画を視聴した。たしかに同じ相槌を繰り返していたり、コミュニケーション能力があるとは感じられなかった(参考1)。
しかし、会話の前に「うーんとねぇ」といったつなぎ言葉を使っており、人間らしさ・会話のあたたかみのようなものは感じられた。『ChatGPT』などの生成AIは応答待ちのラグがあり独特な違和感を感じさせるが、Cotomoでは応答が完全に返ってくる前に「うーん」「えーっと」「そうだね」のように「相づち」を打つことで、返答までの時間を少しだけ稼ぎ、それによって会話の自然なやりとりを実現していると思われるそうだ(参考2)。

現在普及しているAIの多くは「課題解決」にフォーカスしている。『Siri』や『Alexa』といったAIアシスタント、『ChatGPT』をはじめとしたチャットサービスが挙げられる。いずれもユーザーの質問や指示にAIが応え、ユーザーの課題を解決したり、手助けしたりしてくれる。これらのAIの価値はその実用性・利便性にある。

AIに奪われないといわれている仕事は介護関係・カウンセラー・コンサルタントなどだ。なぜなら、人の気持ちを汲み取りながら、相手の心を動かしたりケアしたりするような仕事はAIには難しいとされている。また、イレギュラーが多く、適切な対応をその場で判断しなければならない仕事も向いていないとされている(参考3)。

現在のCotomoはコミュニケーション能力も課題解決力もあるとは言えない状態ではあるが、どちらも学習することができれば、AIに奪われないといわれている仕事でもAIが大活躍する可能性がある。
人手不足が深刻化している介護関係・教育関係でAIが活躍する時代もそう遠くはないのかもしれない。

─────────────────────────────

■備考
参考1:
HIKAKINさんの動画

参考2:
おしゃべりAI「Cotomo」が衝撃的! 無料アプリなのに速い応答速度、自然な相づちまでしてくれるなんて……

参考2:
この先AIに奪われる仕事・奪われない仕事とその特徴について