エベレスト初登頂は早まるか、100年前に消えた登山家の靴を発見

2024年9月、エベレスト北壁の下に広がる中央ロンブク氷河で、ナショナル ジオグラフィックのドキュメンタリーチームが古い登山靴を発見した。氷の中に閉じ込められていたものが、その氷が解けて姿を現したようだった。
靴下には赤い糸でA・C・IRVINEと刺繍されたラベルが縫い付けられており、著名な登山家のジョージ・マロリーとともに100年前に消息を絶った「サンディ」ことアンドリュー・カミン・アービンのものであるとわかった。
マロリーの遺体は1999年に発見されたが、アービンのそれは依然として見つかっていなかった。アービンとマロリーが最後に目撃されたのは、1924年6月8日、世界最高峰のエベレスト初登頂を目指していたときだった。2人が登頂に成功したのかどうかは、登山史上最大級の謎となっている。もし成功していたのなら、現在初登頂者として知られているエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイより29年も前に成し遂げていたことになる。

引用:エベレスト初登頂は早まるか、100年前に消えた登山家の靴を発見

─ YODOQの見方───────────────────────────

近年温暖化の影響により、エベレストでは毎年、数十年分に相当する量の氷が失われているそうです。
そこで今回は温暖化の影響で富士山にはどのような変化がおこっているのかを調べてみました。

●山頂部の永久凍土が融解
標高3,776mの富士山の山頂周辺には「永久凍土」が存在しています。1975~76年に行われた詳しい調査では、永久凍土は山頂から標高3,100m付近まで広がっていることが確認されていました。しかし、2007〜2010年の調査では、連続していた永久凍土の広がりが消えて、部分的に確認できたうちの最も低い地点でも標高3,500〜3,600mとなっていたそうです。
永久凍土とは、地下の温度が二年以上連続して0°C以下になる土壌や岩石のことをいいます。永久凍土が融解すると、山の侵食が進み、土石流の発生増加や大規模化などの懸念があります。

●森林限界の上昇にも影響
森林限界とは、環境条件の変化のため森林の生育が不可能となる限界高度のことで、気候変動の影響が顕著に現れるエリアとされています。
富士山には樹木の生えない「裸地」が山頂から下部に向かって広がっていて、森林限界のラインはカラマツによって作られています。1978年から2018年の40年間の調査によると、カラマツの森林限界は、30m上昇していたそうです。

また、10月30日のニュースによると、富士山の山頂には例年、10月初旬にはうっすらと雪が積もるそうですが、今年は異例の暖かさが続いており、これまで一度も積雪が観測されていないそうです。富士山といえば頭に雪を被った状態が1番に想像されますが、このような富士山を見ることができる期間はどんどん短くなってしまっているようです。

参考:

エベレストの氷河、過去30年間で2000年分の氷が解けていた
地球温暖化で富士山の姿が変わる?懸念される影響とは
富士山まだ冠雪せず 観測開始からの130年で最も遅い記録