君はイチローを褒めることができるか
少し前に日経BPに載っていたアドラー心理学を説明したコラムを紹介します。
例えば、部下が高い営業目標を達成したとする。次のうち、どれが勇気づけに当たると思いますか」と問う。
(1)何も言わない
(2)「君はよくやった」と褒める
(3)「すごいなあ」「君のやり方が参考になったよ」と感想を述べる
(4)「部署のために、頑張ってくれてありがとう」と感謝を伝える
一般的には(2)が正解だと思われがちだが、アドラー心理学で言う勇気づけは(3)(4)となる。(2)の褒めるという行為は、相手に対する操作・コントロールであると定義し、他者の評価への依存を引き起こすとしている。
「たいがい人はイチローに対して褒めることなど、恐れ多くてできないと感じるはずです。すなわち、褒めるという言葉には、『相手は自分よりも下』という意味が含まれているからです」
引用:http://business.nikkeibp.co.jp/atclcmp/15/030900038/031600002/?P=2
─ YODOQの見方───────────────────────────
かなり強引なコラムでしたがが、褒めるということについて久しぶりに考えてみました。
過去、色々なところで、部下になり上司になりし、そのたび「褒めたり」「褒められたり」してきました。昨今の職場はフラットな人間関係が望ましがれ「褒める」あるいは「しかる」といった表立った表現が少なくなってきていることに少し違和感を感じます。
僕自身が、山本五十六の有名な言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」こんな言葉を何度も聞いて育った世代ということもあるかもしれません。しかし、先ほどの記事にもありました「褒める」ことが他者の評価への依存を引き起こすということも、ある意味、組織への帰属を促すという面もあると思いますし、それが日本企業のピラミッド構造、ひいてはかっての経済発展をもたらしたとも言えます。
「部下との接し方には」とは簡単に正解が出るものではありません。さて、もうすぐどの職場にも新入社員が入ってきます。今までの新入社員の方々も否応なく、こんなシーンに出くわすことでしょう。今一度、「人との接し方」について考えてみてはいかがでしょうか。