日経のフィナンシャル・タイムズの記事はゴミすぎるのか?
雑誌PRESIDENT9月号に掲載された記事では、日経新聞に掲載されている「フィナンシャル・タイムズの記事」について手厳しい批判を浴びせている。
曰く、「トランプ批判はただの願望に等しい」「政治情勢の分析材料として使い物にならない」など。この記事は米国政治を専門にする大学の研究員によって書かれている。
参考:https://president.jp/articles/-/26037
記事の見出しや内容は過激だが日経新聞に対する愛も描いており、「日経記者独自の国際情勢の取材記事は読み応えがある」「調査をもとにした記事を売ってきたはず」といった評価もされている。
─ YODOQの見方───────────────────────────
社会人になりたてのころ「ビジネスマンなら、毎朝、日経新聞を読むべし」などという言葉を聞いた方も多いかと思う。その権威ある日経新聞の記事を批判するという見出しに驚き、惹きつけられてしまったのは、商品の宣伝にうまく釣られてしまったのかもしれない。
知らないうちに「新聞に書いてある事は正しい」という風に思ってしまいがちだが、『すべての新聞は「偏って」いる』という書籍を読み、それは思い込みと気づいた。
参考:https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594078706
この本ではタイトルの通り、新聞に書かれたことは事実そのものではなく新聞社・記者の意見を反映した偏りを持っていることを前提にとらえるべきとしている。
読売、朝日、毎日、日経、産経のメジャー5紙を数値的、客観的に見比べ、各紙の主張が「どれくらい偏っているか」という数値比較を行っている。
本の中で日経新聞は「バランスの鬼」と呼ばれ、政治的スタンスから距離を置いた立場をとっていることがよくわかる。
このような前提知識を持つことで冒頭の記事を書いた記者の批判の根拠がより理解できるようになる。
新聞などメディアの情報を何となく浴び続けると、無意識に自分が心地よく感じる(≒発信者に都合のよい)情報に考えが染まってしまう。
ときには自分と異なる意見に耳を傾け、自分の頭で考えることが必要とあらためて感じた。
■備考
2015年の年末に、日本経済新聞社はFT社を1600億円で買収した。FT社は早くから電子版を発行し、「デジタル・ファースト」戦略をとっていたという。