アマゾンがAI採用打ち切り、「女性差別」の欠陥露呈で

米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)が期待を込めて進めてきたAI(人工知能)を活用した人材採用システムは、女性を差別するという機械学習面の欠陥が判明し、運用を取りやめる結果になった。
事情に詳しい5人の関係者がロイターに語ったところでは、アマゾンは優秀な人材をコンピューターを駆使して探し出す仕組みを構築するため、2014年から専任チームが履歴書を審査するプログラムの開発に従事してきた。
そこで生まれたAI活用の採用システムは、あたかもアマゾンの仮想店舗の格付けのように、応募者を5点満点でランク付けする。関係者の1人は「だれもが求めていた究極の方法だ。このツールが5点の応募者を明示し、われわれが彼らを採用する」と話した。
この件により同社の幹部はプロジェクトの先行きに失望し、最終的に昨年初めにチームは解散したという。

引用:https://jp.reuters.com/article/amazon-jobs-ai-analysis-idJPKCN1ML0DN

─ YODOQの見方───────────────────────────

AIについて調べた東ロボについて考えてみる。これは国立情報研究所で行われている「東大ロボットプロジェクト」です。このプロジェクトは2021年までにAIが東大に合格することを目的にしていましたが、残念ながら現在は凍結しています。
このプロジェクトからわかったことして、AIの得意な作業として意味を考えなくとも答えられる問題には正解できるが、逆に答えがないような問題、文脈を考えないといけないような問題は苦手としています。このことを端的に表している言葉を新井紀子氏が著書で述べています。

「論理・確率・統計。これが4000年以上の数学の歴史で発見された数学の言葉の全てです。そして、それが、科学が使える言葉のすべてです。次世代スパコンや量子コンピューターが開発されようとも、非ノイマン型と言おうとも、コンピューターが使えるのは、この3つの言葉だけです。
「真の意味でのAI」とは、人間と同じような知能を持ったAIのことでした。ただし、AIは計算機ですから、数式、つまり数学の言葉に置き換えることのできないことは計算できません。では、私たちの知能の営みは、すべて論理と確率、統計に置き換えることができるでしょうか。残念ですが、そうはならないでしょう。

現在なんでもAI、AIともてはやされており、仕事の半分はAIにとってかわられるという言葉もそこら中で聞かれるようになっていますが、本当にそのようになるのか、判断するうえで重要な1つのアンチテーゼではないかと考えます。

参考:https://nomad-journal.jp/archives/4556
参考文献:新井紀子(2018/2/11)『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社