「ボヘミアン・ラプソディ」なぜこんなに人気があるの?

平成最後の冬は、映画『ボヘミアン・ラプソディ』とともに記憶されるだろう。
「ムビコレ」のサイトにはこんな記事も掲載された。タイトルは「クイーン世代の中高年から20代までが支持!リピーター続出で大ヒット『ボヘミアン・ラプソディ』」
つまりこの映画は、過去のロックバンドの映画ながら、「若年層需要」と「リピート需要」という、映画(エンタメ)界的にとても魅力的な需要構造を獲得しているといえる。
日本国内では、11/9にリリースされ、12/9時点で累計興行収入43億9,670万円。2018年に公開された映画の中で10位にランクインしている。
これは世界的な現象で、全世界累計興行収入は5億9,659万ドル(約677億円)となり、世界でも2018年に公開された映画の中で9位にランクインしている。
さらに。ゴールデン・グローブ賞の作品賞に「ボヘミアン・ラプソディ」及び主演男優賞に「ラミ・マレック」がノミネートされている。
「ボヘミアン・ラプソディ」を演奏しているクイーンとはどんなバンドか。
イギリスのバンドでデビューは1973年。1974年に出したシングル「キラークイーン」でブレーク。音作りは重厚かつ難解で「ボヘミアン・ラプソディー」にいたっては、聴いたことがある人は分かると思いますが、POPとかROCKとかいった範疇を離れ、もはや奇怪なオペラとも思える。しかし美しいのだ。そして、なおかつ彼らは「ビジュアル系」でもあった。
当時、日本での人気は特に高く、洋楽ロック雑誌『MUSIC LIFE』における人気投票では、9年間で7回、1位になっている。

引用:東洋経済ニュース 2018/12/8 「ボヘミアン・ラプソディ」なぜ若者に人気?
   映画『ボヘミアン・ラプソディ』累計興行収入43億円突破!

─ YODOQの見方───────────────────────────

何故、デビューして50年近く、解散して30年近くたつ、音楽も難解なバンドが何故今こうも人気なのか。クイーン世代のおじさんたちならまだしも、今時の若者たちに何故人気なのか。僕自身が解せなかったので調べてみました。
「ボヘミアン・ラプソディ」現象化への違和感
・「クイーンの」ではなく「フレディ・マーキュリーの」映画であると言っていい。無名だった青年の苦労、「夢はかなう」的な成功、そしてそれと引き換えの孤独、別離、それを乗り越えての結束、そして悲劇的な最期という、美談として、本作そしてクイーンを語る傾向が強まった気がするのだ。 
・「クイーン」という存在が、浮世離れした、考えてみれば映画化に適したキャラクターとストーリーを持っていた。『MUSIC LIFE』関係者諸氏が指摘するように、少女漫画の主人公、そして倒錯したギャグ漫画の要素もあった。
最も納得がいったのがこの記事だったのですが、クイーン世代の僕としてはもう少し考えてみたい気がして、勝手にまとめてみたのが次です。

1.フレディー・マーキュリーの悲劇性
黄金期にゲイであることをカミングアウトできずに、若くしてエイズで亡くなったこと。
2.普段、映画館に足を運ばない人が来た
音楽ファン、クイーン世代のおじさん、おばさん、あるいは若い人たちはライブに行くイメージがあったのかもしれませんね。
3.ビジュアル的にはきれいだけれどもグロ、でも音楽は美しいという倒錯した世界
アングラではあるのかも知れませんが、メジャーではこれほどアクの強いアーティストは最近なかったのではないか。そこに惹かれたのではないか。
4.フレディー・マーキュリーがゲイ、バイセクシャルであったということ
最近、色々な意味でマイノリティーに光をあてたいという動きを見ます。多様性ということに敏感な人たちを巻き込んだのではないか。
5.理由は上記とかぶりますが、意識高い系の人たちを引き付けた
・クイーンは知的である。見た目も作っている楽曲も。なんせ曲にしろ詩にしろ難解である。
・シュールリアリズムの感覚。他とはちょっと違うと言う空気。
・多様性に理解を示すのは、今の時代クールである。
・深読みかもしれませんが、ボヘミアンには、放浪 難民、移民といった意味があります。現代の自国主義、保護主義への反発もあるのかも知れません。
6.最後に一番最もらしい考えとして、SNSでの告知広告すごかった。やはり現代の流行を生み出す最も強いパワーなのでしょう。
真実を確かめに行くつもりです。
参考:「ボヘミアン・ラプソディ」現象化への違和感