「ふるさと納税」課題は返礼品以外にも

豪華になる「ふるさと納税」の返礼品をめぐっては、総務省が各自治体に向け自主規制を求めていましたが、それに応じない自治体もあるため、返礼品の仕入額が寄付額の3割を超える場合や地場産品でない返礼品を取り扱っている自治体に寄付しても税の優遇がうけられないよう制度を改正しようという動きがあるそうです。
過疎化で税収が減ったり、目立った特産品や産業がない自治体が高額な返礼品を用意してでも寄付を集めたいと努力する一方、都市部では実際に住み介護などのサービスを提供しているのに、それに見合った税収が確保できなくなったり、高所得者ほど税優遇の恩恵を多く受けられることも問題となっています。

引用:https://www.asahi.com/articles/DA3S13682394.html/

─ YODOQの見方───────────────────────────

そもそも「ふるさと納税」という名称とはなっていますが、実際は寄付です。都市と地方の税収格差を埋める目的で、生まれ育った土地や応援したい自治体に寄付をすると所得税や住民税が控除されるというシステムで、返礼品は自治体からの感謝の気持ちと地場産品を知ってもらう機会にするのが本来の目的でした。しかし、高額だったり魅力的な返礼品が話題になると、それを用意した自治体へ寄付が集中するため、自治体同士で寄付の獲得をめぐっての競争となってきました。サイトによってはポイントがもらえたり、自治体によっては商品ではなく、その地域でのみ使用できる電子チケットを用意したりと知恵を絞っているようです。高額な返礼品を用意することで、本来は税金として納められるものが、その仕入代金や発送費、人件費にとなってしまっていることは問題ではないかと思います。
最近はクラウドファンディング型として、返礼品の過多ではなくより寄付金の用途を絞って共感を集め寄付を募るシステムも出始めています。実際に「ふるさと納税」によって寄付を集め、行政を立て直すことができた自治体もあるので、一概に現状のシステムが悪いとはいえませんが、これを機会に寄付のあり方を考えてみるのもいいのではないでしょうか。

参考:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html
参考:https://www.projectdesign.jp/201803/local-tax-payment-future/004601.php