「令和」時代に日本人が巻き込まれる3つの大波
元号が「令和」に決まりました。30年間の平成の時代が終わり、日本は新たな時代に突入します。令和の時代とはどのような時代になるのでしょうか。
未来予測の専門家の鈴木貴博氏は、令和を代表する3つの時代キーワードを提示しています。
● 外交問題の肥大化=外交戦争へ
日本、アジアにおいては、韓国との政治的軋轢、北朝鮮とのミサイル問題、中国の南沙諸島への人工島の建設など、各国間の摩擦が大きくなってきています。そして、グローバルでは、大国による利権のぶん取り合戦が始まろうとしています。それはグローバルな先進各国で、経済成長が大きく減速するからです。具体的にはトランプ政権がWTOルールに沿わない形での2国間の関税を見直させる動きは政治的なぶん取りの一例です。また、中国は国内成長が鈍化した後には、海外支配が成長のカギになることを理解していてアフリカ諸国への覇権争いに力をいれています。● AIの進化で起こる「一億総情報弱者の時代」
これまでの平成の時代は情報強者の時代でした。ネットを通じていち早く情報を得て動いた者が勝つ時代でした。令和の時代はそうではないと言っています。
インフラが充実し、AIが進化してビッグデータを処理するようになると、世界から歪みが消えていきます。AIによって世界がだんだん最適化されていくのでその結果、情報格差がなくなってきます。その上で情報洪水が起きます。世界で処理される情報量が平成時代からさらに幾何級数的に増加します。
結局のところ令和の時代では、いちばん快適な人生はAIが示唆するとおりに行動して買い物して日常を過ごすこととなっていきます。● 格差の緩和によって、「人生の価値」が変わる
令和の時代にもう1つ起きることは、「お決まりの人生を過ごすことの価値が大きく下がる」という現象です。平成の時代にそのような価値観は育っていきました。それが、令和の時代には助長されます。
理由は世界中の仕事の多くがマックジョブ化(単純労働化)するからです。令和の時代には世の中の仕事の8割以上がマックジョブ化すると考えられます。そうなると未経験者でも簡単に仕事を見つけることができるようになり、加えて少子高齢化による人手不足で、いつでも仕事にありつける時代になります。その結果、いい学校に入って、いい会社に入るといった「お決まりの人生を過ごすことの価値が大きく下がる」というわけです。
─ YODOQの見方───────────────────────────
それぞれの記事は興味深いのですが、いずれも平成の続き、現実的に考えればそうなるのかな、といったものです。「みんなの生き方が平準化してきて」、しかし「政治的には不安定だ」といったところでしょうか。
夢がない、と思いました。
では、昭和の時代には、人々はどのような未来予測をしていたのでしょうか。
文部科学省による未来に実現する技術を予測する「科学技術予測調査」の第1回(1971年)では次のような技術があげられています。
・カラー化したパネルディスプレー
・徴税義務が一本化される。
・テレビ電話、テレックスなどの開発で在宅のまま買物ができる。
・個人をほぼ完全に簡単に識別する医学的方法が開発
・知能を増進させる方法、薬剤の開発
引用:45年前の「未来予想図」けっこう的中
昭和に描かれた未来予想図の世界へ「昭和ちびっこ未来画報 ぼくらの21世紀」
次は子供達が描いた未来です。
・夜のないせかい 人工たいよう
・走れ、空中弾丸列車
・岩をふきとばし 大地をくりぬく もぐらタンクの大かつやく!!
・地下10000メートルに挑戦!! 地底探検ロボット
・驚異の無人手術室
・科学の夢 宇宙ビルディング
・チューブで繋がれたビル
引用:昭和に描かれた未来予想図の世界へ中
この頃の未来は夢があって、ハラハラドキドキしていました。
平成には、色々なことが解明されて、こんなものあったらいいな、がいつの間にか実現しました。今、子供達に未来図を描いてもらったらどんなものになるのか、少し怖いような、興味があります。
そして、特に前者の大人が考えた未来予測は、ほぼ実現されています。カラー化したパネルディスプレーなどは有機ELの登場で今や折れ曲がります。
技術の進歩は、その頃の想像をしのぐスピードであることは間違いないと思いますし、未来の進化のスピードは、今思っているそれよりはるかに早いものになっているでしょう。同時に、その裏返しとして起きる問題は、これまた想像がつかないものになっているでしょう。シンギュラリティのように既に予測される事態もあります。
さて令和はいったいどのような時代になるのでしょうか?
時代の節目です。少し考えてみてはいかがでしょうか。