部下のモチベーションを上げるために
ソニー生命保険がこの春から社会人1年目と2年目の男女1000人に対して調査を実施した。先輩に言われてやる気を奪われてしまうセリフとして「この仕事向いてないんじゃない?」が31%で最も多く、次いで「やる気ある?」が25.5%、「ゆとり世代だなあ」が23.7%という結果になった。適正を否定される、意欲を認めてもらえない、世代でひとくくりにされるなど、正当に評価してもらえないことによって、モチベーションが下がってしまう人が多い傾向がある。
引用:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/20/news017.html
─ YODOQの見方───────────────────────────
部下のモチベーションを上げるためにはどうすれば良いかいくつかの記事をとり上げてみる。
参考:https://biz-shinri.com/how-to-increase-motivation-5493
この記事では部下のモチベーションを上げるためのポイントとして、「最近どんなことに興味を持っているのか」とか「どんなことやモノが好きか」などを聞くことで、部下のことを知ろうとすることが挙げられていた。
部下からすれば「自分のことを気にかけてくれている」という感じを受け、上司への信頼感が増すとされている。
「幸福感の8割以上は人間関係が原因になっている」と心理学においては言われているそうで、職場に信頼できる人間関係があるだけで、部下の幸福感も上がりやすくなり、仕事へのモチベーションにも良い影響をもたらすと記事では述べられている。
参考:https://re-sta.jp/motivation-technique-4902
この記事ではまずモチベーション(心理学では動機付け)は学術的には「内発的動機付け」(人間が本来もっている好奇心や関心によってもたらされる動機付け)と「外発的動機付け」(アメとムチを上手に使い分け、外部から刺激を与えることによる動機付け)に分類されることを述べ、外発的動機付けは瞬間的にやる気を上げることができるが、これを繰り返すと仕事をつまらなくさせ、逆にモチベーションを下げてしまうため、内発的動機付けを優先させるべきだと述べている。
また、内発的動機付けの3原則として「自律感を与える」「有能感を育てる」「信頼関係をつくる」が挙げられ、この3つを使いこなせば、外発的動機付けをしなくても、自主的に「やろう!」という気持ちになり、積極的に行動するようになると記事では述べられていた。
参考:https://leadership.shikigaku.jp/1060/
この記事では上司は部下の「やる気」「モチベーション」に関わるなと釘をさし、その理由として「部下が自分の役割を履き違えるから」「そもそも、部下自身がコントロールすべきものだから」の2点を挙げている。
上司や会社がモチベーションを上げるように強要すると、顧客のための仕事のはずが会社のための仕事になってしまうという不自然な状況が作られてしまう可能性があると述べ、また、モチベーションは移り変わりの激しいものであり、それを上司がコントロールするのはそもそも間違いで、重要なのは誰かに動機付けしてもらうのではなく、自分自身で動機付けすることだとも述べられている。
これらの記事で共通して言えるのは
・誰かに動機付けしてもらうこと(外発的動機付け)は瞬間的にモチベーションを上げることはできるかもしれないが、あくまで瞬間的であり、長期的に見れば逆にモチベーションを下げかねない。
・上司としては部下自身でモチベーションを上げられる(内発的動機付け)ように持っていってあげることの方が大事。
内発的動機付けの3原則の中でも「信頼関係をつくる」が他の2つよりもハードルが低いためか多くの記事でとり上げられていた。部下や新人の扱いに不安を覚える方は、まずはじめに信頼関係を築くことから始めてみてはいかがだろうか。