京アニ寄付の税軽減、災害義援金やふるさと納税活用で 政府検討

政府は8月29日、アニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)の放火殺人事件を受け、個人や企業が行う同社への寄付に税制上の優遇措置を設けるため、企業が損金として処理できる災害義援金の適用や個人が所得税の控除を受けられる「ふるさと納税」制度の活用を検討していることを明らかにした。

引用:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/30/news063.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

京アニに寄せられた寄付額は専用口座への振り込みやアニメイトの応援募金などが8月末時点で20億円を超えており、今後もさらに増えるとされる。通常、企業が寄付金を損金として処理できる金額には資本金や所得に応じて上限が決められており、寄付金のすべてを損金に充てることができない。

今回政府は特例としてこれらの寄付金を「地方公共団体に対する寄付金」と位置づけ、災害義援金制度、ふるさと納税制度といった企業や個人向けの税額控除制度を活用して税負担を軽減する方向で調整している。犯罪被害に対する寄付金を災害義援金と同様の扱いをするのは異例であるが、これによって支出金の全額を損金算入できる。

このような施策をとるメリットとして、企業が寄付をしやすい環境を作ることができることだ。今まで寄付による税制上の優遇措置がなかったのは、企業が寄付を行いすぎることで所得を抑え、法人税を減らすことができるからだ。まだまだ課題はあるが、今回のケースをもとに税負担の軽減を行うことができれば、企業や個人からの柔軟な寄付ができるようになるのではないかと考えられる。