ものづくりデータ取引、100社連携 開発・生産を効率化
三菱電機、安川電機など国内の主要メーカー100社が連携し、設備の稼働状況や品質検査などの製造データを相互に取引できる仕組みをつくる。生産や加工の情報を取引先と共有することで、開発期間の短縮やものづくりの効率性の改善などにつなげる。
以前からドイツなどではINDUSTRY4.0と名付けられ、製造分野でのデータ活用が重要視されて、生産にかかわるもの、つまり部品や製造装置をネットワークでつなぎリアルタイムで情報を取得し管理に活かす。これによって生産プロセスの最適化を図ったり、在庫を減らす、サプライチェーンの効率化を図ることができるといものです。
このように様々な企業で集められたデータを他者とも共有することができれば、さらにデータを活用するフィールドが増えるという考え方のもと今回100社が連携しデータを相互に取引できるようにしました。
しかしながら、これらのデータはそれぞれの企業にとって競争力の源泉ともいえる貴重なデータである場合が多く、外部に出すことを躊躇するケースも多く、また外部に出すことを決断したとしてもそれを安全に守る仕組みが必要でした。それを実現するのが仮想通貨の信用の根幹にあるブロックチェーンの技術です。ブロックチェーンの仕組みを応用することで情報漏洩のリスクを抑えられ運営コストも低減できる見込みとなっています。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46172940W9A610C1MM8000/
─ YODOQの見方───────────────────────────
確かにIoTが注目され各デバイスから取得できるデータの活用はこ、れまでにない革新を生み出す可能性を秘めています。しかしながら具体的にどのようにこれらのデータが活用されていくのかを具体的にイメージできる人は少ないように思われます。
ここではいくつかの活用の具体例を紹介したいと思います。
最近よくニュースになっている検査データの偽装や改ざんの問題について、このことが起こる理由として、人の手を介することが原因とされています。データ取得時に結果を間違えて記載したり、データ集計時に偽装や改ざんがなされたりするリスクがあります。
これを検査装置から直接結果データを取得しブロックチェーンに格納すれば、参加している関連企業で共有されるので改ざん行為が事実上不可能になります。改ざん行為があった場合は、その行為そのものがブロックチェーンに残ってしまうからです。
また企業間のサプライチェーンにおいても活用が期待されています。例えば自動車業界であれば、部品在庫、製品在庫、機器の稼働情報などをサプライチェーン上にある他者と共有することで部品の欠品を抑えるように納品をコントロールしやすくしたり、顧客への納期を正確に把握できます。また、稼働情報により機械の故障を未然に防ぐ部品の交換ができるなどの稼働環境を実現することができます。
これらの可能性はあるものの企業の利害関係が絡むところと投資対効果に見合うかどうかが問われています。