ジム・ロジャーズ「私なら10歳で日本脱出計画」
アメリカの投資家で「世界三大投資家」の一人とされているジム・ロジャーズのコラムの中に次の文章を見つけました。
「私が今、投資家として日本人に最高のアドバイスをするとしたら、『子どもや孫には中国語を習わせなさい』ということだ。子孫の未来に希望を託すなら、必ず中国語、それもいわゆる標準中国語を学ばせるべきだ。
私自身、娘に中国語を学ばせるために2007年に家族でシンガポールに移住した。私が娘にできた最高の投資は、中国語を話せるようにしたことだと今でもそう思っている。やがてアジアの時代が来ることを考えると、中国語の語学力とアジアの経験は最上のスキルとなる。万が一私の予測が外れ、アジアの時代が来なくとも、中国語は世界中で約15億人が使っている言語だ。学んでおいて損はない」
「何かで成功したかったら、滅びゆくものにしがみついてはいけない。これが真理だ。世界の言葉は、これから数百年もすれば30くらいになっているだろう。もしあなたが滅びゆく言葉、たとえば日本語しか話せなかったとしたら、ビジネスチャンスを得られないだけでなく、まともな職にさえ就けなくなる」
まるで日本語がすぐにでも滅びていくような言葉です。
はたして日本語の現状、将来はどうなるのかについて調べました。
─ YODOQの見方───────────────────────────
・現在使われている言語のランキング
2015年版「Ethnologue」による母国語と第二言語話者数のランキング
1 中国語 10億5100万人
(母語話者:8億9900万人 第二言語話者:1億7800人)
2 英語 8億4000万人
(母語話者:3億3000万人 第二言語話者:5億1000万人)
3 スペイン語 5億7000万人
(母語話者:5億人 第二言語話者:7000万人)
4 ヒンドゥー語 4億9000万人
(母語話者:3億7000万人 第二言語話者:1億2000万人)
5 アラビア語 4億2200万人
(母語話者:2億9000万人 第二言語話者:1億3200万人)
16 日本語 1億3000万人
(母語話者:1億2500万人 第二言語話者:600万人)
2015年版のEthnologueによるとなんとその数は7097言語。多くの学者は3000を超える言語が次世代にはなくなってしまうと予測しています。ますます近代化が進んでいる昨今では、マイノリティ派の話者がより使用されている主要言語へと移行しています。
・今後の使用言語の推移について
なかなか合致する資料が見当たらなかったのですが、こと日本語についてみると、日本国内でしか用いられないという性格上、人口推移によって、その使用者の数も変化するであろうとの見方からに人口推移に注目しました。
今後の人口推移
2013年
1.中国 13億8000 2.インド 12億5000 3.アメリカ 3億2000 10.日本 1億2700 世界 72億
2050年
1.インド 16億2000 2.中国 13億8000 3.ナイジェリア 4億4000 16.日本 1億800 世界 96億
2100年
1.インド 15億4000 2.中国 10億8000 3.ナイジェリア 9億1000 29.日本 8400万 世界 108億
これらを見てみると、2100年でも8400万人の日本人が母国語として使用しているだろうことから、まさか滅びることはあるまいと思いますし、私自身、美しい日本語を捨てようとはさらさら思いません。しかし一方で、こうして見るとあらためて日本語というものは圧倒的にマイノリティな存在だと思い知らされました。
インターネット上で使われている日本語は、現在、全体の2.5%とのことで、この割合も今後ますます減ってくると思われます。
私達、日本人は日本語を大事にしつつも、冒頭記事にあるようにマジョリティな言語を学んでおいても損はないのではないでしょうか。