120年来の民法改正、施行迫る
現行民法の大幅改正が行われ、来年4月から施行される。明治29年に制定されて以来約120年ぶりの大改正と言われている。
主要な変更点として
1.保証人の保護を強化する
2.利用規定の扱いの変更
3.法定金利の5%→3%へ、以後3年おきに見直し
4.請負契約の担保責任期間が、「引き渡し後1年」から「発注者が欠陥に気づいてから1年」となる
3により保険金の計算方法に影響があり、保険料が上昇する。
また、4はシステム開発の契約に直接影響がありシステム開発ベンダーには不利な変更となる。
この他、個人情報保護法の適用範囲は「すべての団体」にまで拡大されるなど現代に合わせたアップデートとされている。
日本経済新聞 改正民法、契約ルール激変 20年4月施行(11/17朝刊)
─ YODOQの見方───────────────────────────
多くの会社組織が今回の改正の影響を受け、施行まで4か月少々と、時期も迫ってきました。
当面の対応が大変という思いと同時に、「なぜ120年も変わらなかったのか?」という疑問が生じます。
参考:東洋経済オンライン 120年ぶりの改正、その舞台裏を聞いた
専門家の見方では、欧米では民法を実態に合わせてアップデートして国際的に広めていくという考え方があるそうです。
一方日本では一度決めたルールは変えず、法解釈によって実態と合わせて運用していくという考え方が主流のようです。また、様々な学者、法曹、消費者、企業など各ステークスホルダーの調整を行うため、改正には時間がかかるといった実情もあります。
合理的に実利をとっていく欧米の考え方に比して、非常に効率が悪いのは否めないのですが、千年以上前の飛鳥時代に聖徳太子によって作られたとされている十七条憲法に「和を以て貴しと為す」と定められ、その精神が息づいている日本らしさが表れているようにも思えます。