ユニクロが1000億円投資する未来の物流倉庫、ロボットと共存へ
人手不足が続く物流施設で、高度なロボット活用が進んでいる。ファーストリテイリングは11月、産業用ロボット知能を開発するMUJIN(東京都江東区)などと協業すると発表。1000億円規模を投じる。
MUJINが開発した多品種商品箱詰めロボットは3Dビジョンやモーションプランニング技術、新開発のロボットハンドなどにより、多品種商品への対応を容易にした。カジュアル衣服店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングはMUJINと協業。立体自動倉庫や搬送システムを手がけるダイフクとも協業中で、ロボットによる商品積み降ろしやRFIDタグによる検品などの自動化に取り組む。
引用:ユニクロの事例 日刊工業新聞 2019/12/20
物流倉庫の最新動向 MATEBANK 2019/12/16
─ YODOQの見方───────────────────────────
少し前まで、実験段階にあったと思っていた物流ロボットは、今やなくてはならない一昔前のマテハンのような存在になっているようです。
僕が最初に物流センターに入ってすごいと思ったのは、30年以上前、佐川急便の集荷、配送センターでした。そこでは、縦横無尽にベルトコンベアが走り、バーコードの自動読み取りで、えらい勢いで荷物がルート別に仕分けられていました。それを見て、夢の工場だと思ったものです。
そのころの物流センターの改善の目的、システムの目的もそうなのですが、担当者と話をすると、それは「効率化」「平準化」でした。すなわち配送時間の短縮、人件費の削減、キレイ目に言うと、単純労働から解放して人をもっと創造的な分野で働いてもらうといった、非常に前向きなものでした。そして、その頃のシステムの提案書には、システム化の目的としてそんなきれいな言葉が踊っていました。
この記事を取り上げた理由が、NHKの特集で冒頭記事のようなロボットを活用した物流センターを見たからです。印象的だったのがその担当者の言葉でした。その特集では3社紹介していたのですが、3社の担当者が揃いも揃って「人手が足りませんから」と言っていたのです。
それはもう「効率化」「平準化」といった方法論ではなく、仕事を回すためには背に腹はかえられないといった、悲痛ささえ感じるものでした。
それを聞いたとき「時代が求める要請は変わっていくものだ」と強く思いました。そして同時にロボット化が進む土壌が整ったとも思いました。
システムを売っていく我々の売り文句も変わっていくのではないでしょうか。ストレートに「人手不足を補う」を謳うべき時代になったのではないかと思います。