Amazonの下請け配送業者が「配送拠点の近くの木に携帯電話をぶら下げる」理由とは?

Amazonは荷物の配送を個人事業主に委託する「Amazon Flex」というサービスを運用しており、個人が空き時間などを利用してAmazonの配送を行うことで賃金を得ています。アメリカの一部地域では、Amazonドライバーたちが「配送拠点の近くの木に携帯電話をぶら下げる」という手段を使い、配送業務の受注率を上げていると報じられています。一般的なAmazon Flexドライバーは1回あたり2~4時間ほどの配送ルートを割り当てられますが、携帯電話を木にぶら下げる作戦を実行するドライバーたちは、より短い1回当たり15分~45分程度のインスタント案件を受注しようとしているとのこと。Amazonは登録したドライバーにインスタント案件を依頼する際、「配送拠点から近い距離にいるドライバー」を携帯電話の位置情報から割り出すシステムを使用しています。携帯電話の電波が良好でWi-Fiスポットも豊富な都市部では、Amazonのシステムが携帯電話の位置情報を20フィート(約6m)以内の精度で検出することが可能。そのため、配送拠点の近くにある木に携帯電話をぶら下げておくことで、実際に配送拠点の近くにいなくてもインスタント案件を受注することができるそうです。

引用:https://news.livedoor.com/article/detail/18831342/

─ YODOQの見方───────────────────────────

今回の記事の件について、Amazon Flexの配車システムの開発者と経営者の立場で考えてみました。

■ 経営者の意見
野放しにすると企業の社会的責任に影響がある。
・手配格差の不満が高まればドライバー確保が難しくなる
・契約したドライバー以外が配送するリスク(無免許など)が発生する
 → 契約ドライバーが集荷、配達したことを保証できるとよい

■ 開発者の意見
・配車に関する機能要件は満たしている
・違反者へのマッチングを避けるためにアルゴリズムを変更、強化するのも難しい
 現状では認証がスマートフォン上で済ませられるため、一貫したドライバーが集荷、配送したことの立証ができない
 配送完了報告に専用端末から生体認証を義務付けるなどすれば可能

コストを考慮しなければ生体認証などで契約ドライバーによる配送を保証することは不可能ではないが、全ドライバーへの端末の貸与や管理なども含めても現実的ではなさそうです。
今回のような事例が発生しても企業としては個人事業主としての契約のため、責任は契約者にある。など方向性を明示することが重要だと考えます。