0.1秒の遅れが魅力に影響 頬の動きに着目した研究
工学院大学(東京)の情報学専攻博士課程2年生で、ポーラ化成工業(横浜)の研究員、黒住元紀さんの研究。
モーションキャプチャで取得した10人の日本人女性の顔モデルをもとに、頬の動きを加工し、「遅延なし/遅延あり」の2種類、合計20種類の顔モデルを作成。これを25名の日本人男女が「魅力的である/魅力的でない」で評価した。その結果、物体の動きでは気付きにくい0.1秒程度のごくわずかな遅れであっても、人の顔に生じる場合には感知されやすくなること、またその わずか0.1秒の遅れが頬に生じると、顔の魅力度が低下することが分かったという。
引用:YAHOO!ニュースJAPAN『0.1秒の遅れが魅力に影響 頬の動きに着目した研究』
2020年11月24日付
─ YODOQの見方───────────────────────────
表情の研究について調査した。
初めに有力な見解を出したのは1800年代半ば、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンによるものだった。
『人間及び動物の表情について』という著書も残している。
ダーウィンはこの調査によって、喜び、悲しみなどの表情が万国共通であるという結果を出した。
ダーウィンの提唱は長い間日の目を浴びなかったが、1960年代になって、後に心理学の第一人者となるポール・エクマンの研究により再度検証された。それまでは文化や環境によって表情が決まると考えられてきたが、世界各国を調査した結果、ダーウィンの提唱が正しかったことが判明した。
彼は、6つの基本的感情(喜び、驚き、恐れ、悲しみ、怒り、嫌悪)には、共通の表情パターンが存在することを確認した。
笑顔であるかどうかを判定してシャッターを切る、マスクをしていても顔判定を行う、など表情研究を活用した技術が近年多く生まれている。
これまでの表情研究の課題として、本来であれば2次元の顔ではなく3次元の顔をinputとして研究すべきであるが、実際の顔の表情を固定することは不可能である、という矛盾があった。
また、今回取り上げたニュースのように、相手の表情を受けてどのような感情になるか、といった物理的-心理的な関係を測る研究はあまり進んでいない。
特に今回は、inputとしてモーションキャプチャという動画を用いたことが大きいのではないかと考える。
現在はほとんごの場合、常にマスク着用となり、表情が見えにくい生活を送っている。
マスクをしていると表情筋が落ちるともいわれているので、表情が相手の印象に大きな影響を与えることを理解し、表情筋を落とさないよう日々生活していきたい。