PCS社リチウムイオンバッテリー搭載の小型電動物流機器の販売開始

ピー・シー・エス(神奈川県相模原市)は8日、軽量小型・メンテナンスフリーで環境負荷の少ないリチウムイオンバッテリーを搭載した小型電動物流機器「EP-LIFTER」の販売を開始した。

同社によると、「ITA(米国・産業用トラック協会)による分類方法で、主に『クラスⅡ』『クラスⅢ』に分類される小型電動物流機器は欧米を中心とした海外市場で、フォークリフトに替わる主力物流機器となっている。
これらは操作性・整備性が良く、定期検査不要な機種が大半で、メンテナンス費用も削減できる。さらにフォークリフト講習が不要な機種もある」という。
ピー・シー・エスでは、「クラスⅡ」「クラスⅢ」の小型電動物流機器を、リチウムイオンバッテリーを搭載して、国内流通品より低価格で提供していくという。

同社の担当者は、「狭いスペースで小回りが利き、軽々と操作できる。作業場所や通路幅が狭くてフォークリフトが扱いづらい現場で活用頂ける」と説明。フォークリフトのランニングコストやメンテナンス費用を低減したい、100V電源で充電したい、資格がなくても作業ができるようにしたい、階上で使用したい、手作業の積み下ろしの負担を軽減したい、フォークリフトはないと困るがほとんど使っていない」というユーザーに提案していくという。

同担当者は、「省力化・自動化が進む物流業務は、やがて無人化へ進むと考えられるが、人の手で扱わなければならない作業や、無人搬送車が導入できない現場も多い」と指摘。「フォークリフトを専門に扱う当社だからこそ、フォークリフトでなくてもできる作業については、小型物流機器を活用した省力化、コストダウン、利便性の向上を提案していきたい」としている。

引用:<物流Weekly>
https://weekly-net.co.jp/news/113669/

─ YODOQの見方───────────────────────────

最近のフォークリフト事情について少し深堀りしてみました。

フォークリフトはご存じのとおり、工場や倉庫で重い資材・商品などを搬送したり、荷降ろし・棚入等の作業で利用される物流機器で、油圧を利用して昇降および傾斜が可能な荷役用のつめ(フォーク)を車体前面に備えた荷役自動車です。

よく目にするフォークリフトで新車価格は大体120~150万くらいで、長期に渡って利用されるため、故障等によるメンテナンス費用もかなり掛かると言われています。
また、軽油、ガソリンを使用したエンジンも多く、燃料の取扱いについても危険物扱いのものが一般的です。

近年は、リチウムイオン電池なども増えてきていますが、日本国内ではまだまだ化石燃料を使用するものが多く、環境への配慮も今後の課題となっています。
また、フォークリフトの運転には免許も必要であることから、既存フォークリフト作業員の高齢化と合わせて、今後の人材不足が心配されています。

ピー・シー・エス社の小型物流機器などをはじめ、近年、リチウムイオン電池で稼働する小型物流機器では、免許不要で扱えるものもあり、物流業界の人材不足の解消や、コスト削減にも大きく貢献するのではないかと思われます。

また、最近では、フォークリフトのサブスクサービスも提供されており、1トンクラスで月々5万円から保険込みで使用できるようにもなっている為、繁忙期のみの一時的な利用をするなど様々なニーズに対応できるようになっており、注目されています。