「なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか」──東大松尾教授が2006年に出した論文が話題

なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか──そんなタイトルの論文がX(元Twitter)上で話題になっている。筆者は、日本のAI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授。そんな松尾教授が産業技術総合研究所の研究員だった頃に書いた研究報告だ。

内容はタイトルにあるように、研究者がいつも締め切りに追われる理由を探るというもの。序論では「余裕をもって早くやらないといけないのは分かっている。毎回反省するのに、今回もまた締め切りぎりぎりになる。なぜできないのだろうか?われわれはあほなのだろうか?」と言及。研究者が創造的な仕事をするために、締め切りがいかに重要な要素になっているか解析するとしている。

論文では「創造的な仕事に集中力は欠かせないが、それは時間的な制約がなければ上げにくいものであり、それに寄与する締め切りのおかげでパフォーマンスを出せるわけである」と結論し、以下の言葉で論文を締めている。

「われわれが反省すべきは『早めにやっておけば良かった』ではなく、『もっと集中すべきだった』である。追い込まれなくても集中力を上げるために自分なりの方策を編み出していくことは、研究者が健康で文化的な最低限度の生活を送る上で、欠くことのできないスキルではないだろうか。そのスキルは、高いネルー値を可能にし、さらなる仕事の効率化につながり、今日もよく寝れるというわけである」

引用:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2308/11/news054.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

・集中力を高める方法
1.集中力を高めるのに良い物を食べる
・チョコレート:カカオポリフェノールは記憶の形成に関わる物質を活性化させ、学習効果の向上に繋がる。
・ラムネ菓子:脳のエネルギー源であるブドウ糖や疲労回復に良いクエン酸を多く含んでいる。
・コーヒー・紅茶:覚醒作用や認知機能・運動能力を高める効果があるカフェインを多く含んでいる。

2.作業環境を整える
・作業に関係ない資料や物を見えない場所にしまうか移動させる
・机や椅子、部屋の明るさなどを自分にあったものに変える

椅子の位置:モニターに近すぎると、眼精疲労の原因になる。遠すぎると、猫背になりがち。腕を伸ばして、モニターが届かないぐらいの位置、かつ、モニターの左右中央に顔がくる位置がよい。

研究者の精神的ゆとりを表す単位「ネルー値」
1ネルー = 「今日、このまま寝てしまっても締め切りなどに影響がない状態」
「n日寝てしまっても締め切りなどに影響がない状態」= nネルー
「今日締め切りの仕事をまだ達成していない状態」= 0ネルー
*ネルー値を上げると、業務を処理するパフォーマンスが低下し、結果ネルー値が低い状態に戻ってしまった例もある。

参考:なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか-論文