ジェフ・ベゾス氏の元妻、286団体に27億ドル超を寄付
米Amazon.com の創業者、ジェフ・ベゾス氏との離婚で世界有数の裕福な女性となったマッケンジー・スコット氏は6月15日(現地時間)、286の組織に27億ドル(約3000億円)以上を寄付したと発表した。
引用:IT Media News:ジェフ・ベゾス氏の元妻、286団体に27億ドル超を寄付
─ YODOQの見方───────────────────────────
こういった記事を見ると自分と比較してしまい、「お金持ちはやる事が違う」などと考え、思考停止してしまいます。
あなたはもし明日、億万長者になったらこのような寄付を行いますか?
数年前にベストセラーになったトマ・ピケティ「21世紀の資本」でも語られるように、格差は過去から現在にかけて拡大し、また今後も拡大していくと言われています。
不平等・格差の問題は「ジニ係数」などの指標によって測定され、各国政府や研究者の間では広く研究対象とされています。
「ジニ係数」は簡単に説明すると1を完全な不平等、0を完全な平等として計算された「不平等さ」を表す指標です。
近年、人口構成の高齢化、単身世帯化が進む中で、ジニ係数で見ると緩やかに格差が拡大してきている。
これは、高齢者の所得には人生を通じて働いて積み重ねてきた結果が反映されるため、もともとジニ係数が大きくなるところ、高齢者の比率が高まると全体のジニ係数が高まることになるという理由と、若年層において近年正規・非正規労働の分化などが生じているために格差が広がる傾向にあることが主な理由である。
ただし、社会保障制度などを通じた再分配後のジニ係数はほぼ横ばいとなっており、社会保障制度などが再分配機能を発揮していることがわかる。
日本の生産年齢人口の所得格差は OECD 平均よりやや大きい。日本の生産年齢人口の所得格差は、OECD と足並みを揃えて 1980 年代半ば~2000 年に拡大した。
ウォルター・シャイデルの著書「暴力と不平等の人類史」ではあらゆる地域、時代のジニ係数を比較して「根本的に不平等を解消する手段」を探っています。
東洋経済オンライン 人類は「破壊」でしか平等化できないのか
そこで劇的な不平等解消の四大要因に挙げられるのは「大量動員戦争、変革的革命、国家の破綻、致死的伝染病の大流行」という、多大な犠牲を伴う大事件でした。
いずれも多数の人命を失い、築き上げた栄華を一瞬で壊してしまう強大な暴力性を持った出来事です。
この研究では「過去格差が縮小した要因は破壊的な暴力であった」となっていますが、裏を返せば「格差が進み過ぎると破壊的な暴力を呼び起こす」と言えるのかもしれません。
冒頭の巨額寄付のように「持てるもの」個人の意思で再配分を行うことで、少しでも格差の縮小につながるのでしょうか?
多額の寄付をすることで破壊的な暴力の抑止になるのであれば、寄付をしたいと思うでしょうか?
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■備考
コロナ危機により所得格差が拡大 ―WSI報告
平等化の四大要因に挙げられる「致死的伝染病の大流行」は天然痘、ペストやインフルエンザ(スペインかぜ)などが挙げられている。
現在猛威を振るっているCOVID-19では平等化とは逆の症状が発生している。