三菱UFJ銀、窓口やATMの「手のひら認証」来春にも廃止…利用者減少で
三菱UFJ銀行は、来春にも店舗の窓口や現金自動預け払い機(ATM)で、手のひら静脈を使った本人確認を廃止する方針を固めた。
本人を認証する次世代の技術として2004年に導入したが、インターネットバンキングの普及で、利用者が減っているためだ。
手のひら静脈認証は、静脈のデータを登録した情報と照合して本人を確認する。暗証番号や指紋の認証に比べて精度が高い。利用者を特定できるので、三菱UFJ銀行の場合、手のひら認証の利用者に対しては、預金の引き出し上限を通常の5倍にあたる1日1000万円にしてきた。
最近は、スマートフォンの普及や通信環境の改善で、ネットバンキングが浸透している。手のひら認証の登録者は約26万人と、ピークの07年に比べて3分の1程度に減少した。銀行にとっては、静脈の登録や管理といった事務作業や、約6000台のATMに付属する専用装置の維持が負担になっていた。
メガバンク各社は、ATMの統廃合といった合理化を進めている。キャッシュカードの偽造防止対策も技術が高度化しており、「手のひら静脈を使った高度な認証の必要性も薄れた」(幹部)と判断した。
引用:https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220529-OYT1T50143/
─ YODOQの見方───────────────────────────
手のひら静脈認システムはセキュリティ向上(顧客満足度の向上)のための導入という側面が強いと考えられます。
このようなケースでは業務効率化目的のシステムと比較すると、デメリットが顕在化しやすいと考えます。
デメリットが顕在化しやすい主な理由としては下記が挙げられます。
・システムを使わなくても業務は回る
・効果を予測・計測しにくい
→システム導入前と、何分、何円、何ポイントUPのような数値化が難しい
・代替手段、技術の台頭
結果として、使ったところで直接的な効果(生産性向上)が感じにくい傾向にあり、次第に利用意義を見失い手間だけが表面化し、最終的には利用されなくなってしまう恐れがあります。そのため、システムを開発する際にはシステム導入の支援だけでなく、運用が開始されてからの効果測定やフィードバックなども含めた提案が重要だと感じます。