KDDI、通信障害の返金案内8月16日から開始
KDDIは15日、7月に起こした大規模通信障害について、影響を受けた携帯電話契約者に対する「お詫び返金」や音声通話のみの契約者への「約款返金」の案内を16日から順次、ショートメールメッセージ(SMS)で配信すると発表した。
今回の送信対象は個人名義で回線契約している約3000万回線で、法人名義は対象外。SMSでは、返金手続きを9月以降の月額基本料の請求額から差し引く形で対応するとの説明を行う。
このため、SMSを受信した後に利用者が自ら手続きをする必要はない。
KDDIは「URLのリンクや顧客情報の入力を求めることもない。偽メールに注意してほしい」と呼びかけている。お詫び返金では、携帯電話やスマートフォンの契約者に対し、一律200円(税抜き)を請求額から減額する。対象はKDDI3589万人、傘下の沖縄セルラーで66万人。
一方、約款返金は音声通話のみで契約した携帯電話利用者に対し、基本使用料など2日相当分を差し引く。対象はKDDI271万人、沖縄セルラー7万人。
引用:<ITMediaニュース>
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2208/15/news122.html
─ YODOQの見方───────────────────────────
私自身auユーザーですが、過去に今回のような大規模な通信障害を経験した覚えがありませんでした。
そこで、大手3キャリアの過去に発生した大規模通信障害の事例を調べてみました。
まずはソフトバンクですが、2018年に通信障害が発生しています。
4時間半の間、通話やデータ通信ができなくなり、約3060万人に影響が出ました。
また、2021年にはNTTドコモによる通信障害で最大で29時間にわたり通話やデータ通信が利用しづらくなるなどし、約1290万人に影響が出ました。
しかし、この2社による過去の通信障害では、共に補償されることはなかったようです。
そして、先月過去最大の通信障害が起こったKDDIですが、それまでの過去8年程は、大きな障害はありませんでした。
ですが、2013年にはauの4G LTEに関わるデータ通信と音声通信が利用不可、または利用しづらい状況が発生しており、この時には対象の顧客に対し、通信料金の請求時、請求額から700円(税抜)を減算する形で補償しました。
さて、今回の通信障害で、KDDIは携帯電話契約者に対する「お詫び返金」として、一律200円(税抜)の請求額からの減額に踏み切りましたが、この対応がかえってユーザーの不満を煽る結果となったように思います。
KDDIは過去に返金事例があることもあり、その時よりも金額が下回ると、金額の妥当性について疑問の声があがることは避けられないので、過去のNTTドコモやソフトバンクのように、返金はしないと言い切ってしまったほうが良かったのではないかと思いました。
災害やヒューマンエラーによって起こる今回のような障害は回避することが難しく、どうしても発生してしまうものなので、発生した後に、利用者が納得できる対応や補償を、企業側が予め想定しておくことが重要だと感じました。
参考:<auの通信障害、補償の判断基準は?過去には「請求額から700円差し引く対応」も。約款に明記されている>
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62c390dee4b014f50a35cb39