合法的な「動画化漫画」
漫画の研究者などで作る日本マンガ学会は1月23日、いわゆる「ダウンロード違法化」について、漫画やテキストを含む「幅広い分野の著作物を対象範囲に含めるべき」と文化庁の有識者会議がまとめたことについて、反対する声明を発表した。著作物全般のダウンロードを違法化すると、2次創作や研究のためのダウンロードも制限されるため、「一般ユーザーの萎縮を招き、研究・創作を著しく阻害する最悪の結果となることが予想される」と危機感をあらわにしている。
引用:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1901/24/news071.html
─ YODOQの見方───────────────────────────
昨今では、YouTube等の動画共有サービスで、著作者に無関係な第三者が漫画を動画化してアップした違法な「動画化漫画」が多数あり、問題になっている。そんな状況を逆手にとった取り組みが話題を呼んでいる。
絶版漫画の無料配信サイト「マンガ図書館Z」を運営するJコミックテラスは、「マンガ図書館Z」で配信している漫画を自動でYouTube動画に変換する「C-Tube」の公開実験を開始した。「マンガ図書館Z」に収録されている全作品について、作者がマイページから「C-Tubeボタン」を押すだけで自動的に動画化漫画に変換される仕組みだ。セリフを文字列化したテキストファイルも、ページ送り速度に合わせた字幕ファイルに変換される。作者は、動画化漫画ファイルとセリフテキストファイルをYouTubeにアップロードし、BGMを選んで世界に向けて公開できる。第1次テストとして4作品を「マンガ図書館Z」のYouTubeチャンネルで公開し、チャンネル登録や閲覧実験、セリフの修正実験などに参加してもらうよう呼びかけている。将来的にはYouTubeからの広告収益を、作者にシェアできるようになるとのことだ。
「マンガ図書館Z」への公開には作者(権利者)の許諾が必要なため、合法な公式サイトだと言える。この事例は「公式なサイトが合法的に漫画を動画化」することで、違法な「動画化漫画」の撲滅を狙った面白い取り組みだ。漫画も広告収益で稼ぐような時代がやってくるのかもしれない。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1901/04/news023.html