紙幣刷新、キャッシュレス時代に及ぼす影響は

政府・日銀は4月9日、千円、5千円、1万円の新紙幣を2024年度に流通させると正式発表した。
日本は世界に類をみない現金大国で、最新技術で偽造防止を強化し、今後も安全な決済手段として維持する。
一方、政府は2025年に現金を用いないキャッシュレス決済の比率を欧米並みの40%に上げる方針も掲げており、お金の未来像は見えてこない。

引用:日経新聞「紙幣刷新、キャッシュレス時代に及ぼす影響は」

─ YODOQの見方───────────────────────────

日本では、約20年に一度紙幣が刷新されます。その一番の理由は「偽造防止」。
日本の造幣技術は世界トップクラスであり、今回の刷新でも、ホログラムやすき入れなどの技術を、さらに高精細化して作られ、その技術力が日本の紙幣の信頼度を高めていると言っても過言ではありません。

紙幣の刷新による経済効果や現金の動きが期待されますが、一方で、経済産業省は2025年までにキャッシュレス比率40%を目指すと発表しました。
実は日本は、現金大国と言いながらも、クレジットカード保有率は世界2位。電子マネーの普及率も世界水準に達しており、キャッシュレス化の基盤は既に整っているのです。それでも「遅れている」と言われる原因は、「決済率」の低さ。持っているけど使っていない。というのが現状なのです。
現金さえあれば何も困らない日本では、当然の結果かもしれません。
現金の信頼度が非常に高い日本においてキャッシュレスを推進するのは、現金が優秀故に難しいと言えます。

東京オリンピックや大阪・関西万博の開催を目前に、キャッシュレスを世界水準まで引き上げるのは急務ではありますが、現金が優秀であるのは日本の誇りなのではないでしょうか。
どちらかに偏るのではなく、「現金もクレジットも電子マネーも仮想通貨も、全てが安全・安心して使える国」を目指してほしいと思います。

参考:経産省の「キャッシュレス・ビジョン」2025年までにキャッシュレス比率を40%に