令和時代、人は「死」を意識しないようになる
ロケット級の進歩を遂げつつある医療。iPS細胞を利用して臓器をつくり出す再生医療や、AI医師の登場だけではなく、診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防……。
このまま医学が完成していけば、死の脅威をもたらす病気はほとんどすべて姿を消し病気では人が死なない「不死時代」が到来すると、医学博士の奥真也氏は著書『Die革命――医療完成時代の生き方』で述べている。いずれ訪れる「不死時代」とはどのような未来なのだろうか。・がんについて
人類にとって最大の病魔の1つと言われているがんも例外ではありません。胃がんや大腸がんは、不治の病のリストから消えつつあります。乳がんや肺がんもそうです。がんの克服は確実に進んでいます。・エイズについて
1981年に世界で初めて発見されたといわれるエイズは、当初は手の施しようがなく、絶望的な病気と思われていました。しかし、2000年を過ぎたあたりからHIVウイルスの働きを阻害するさまざまな薬が実用化されはじめ、現在では生命を奪う病気ではなくなっています。・その上で、誰もが「多病息災」で生きていく
病気の9割は治りません。医療の立場から言えば、必ずしも病気は治らなくてもかまわないのです。「たいていの病気は治癒しない」とし、「治癒する必要はない」というのが医師の感覚です。つまり、1つだけではなく、さまざまな病的な状態を持ちつつ、これらがどれも生命を脅かすことなく、生命との間に均衡を保っている状態。どの病気も、宿主である人間を殺してしまうところにまでは到達しないということです。
─ YODOQの見方───────────────────────────
医療の進化について少し調べてみました。「医療 進化」で検索し上から目についたものをあげてみると。
□「ここまで進化した医療の最先端~再生医療がもたらしたもの~」
心不全の現在の治療法としては、薬物療法やペースメーカによる治療が行われています。
しかし、こうした治療では効果が出ない患者さん、さらに、心不全が重症化してしまった場合は、補助人工心臓を埋め込む手術や心臓移植が必要になります。
「iPS細胞」を用いた心筋治療(臨床には至っていない)
心筋細胞を作る技術の開発が進められており、自動的に大量の心筋細胞をつくる装置の開発や、大阪大学では、ヒトの血液から心臓の筋肉を作ることにも成功しています。
実際の心不全治療に心筋細胞シートが用いられる日も近いと考えています。
□ICチップを飲み、体内情報発信
飲み込んだICチップが、白血球数、血糖値、中性脂肪数などなどをリアルタイムで測定していきます。
調子が悪いといって来院した患者さんに、ちょっとこれ飲んで下さいといった診察も近いのではないでしょうか。
□自分ががん患者になったことで実感した、医療の驚くべき進化 医者が体験した「治る治療」
・ステージがⅢ期のbでも、決してあわてて入院する必要はなくなっています。
・早期発見の次元が変わった。ほんのわずかな兆候も見逃さない。
・放射線治療だけで、がん病巣は、「100パーセント消えます」と医師ははっきり告げます。
・放射線治療をするのに、2週間かけて設計をする。
三次元でシミュレーションした上で、最も効果的な方法をシステムに設定し、治療はオートマティックに行っていく。
というように、医療は進化して、誰もが「多病息災」で生きていく世界に近づいているようなのですが、それはつまり高齢化がますます進み、あまり元気じゃない人が長く生きていく未来が予見できるということにもなります。
それはそれですばらしいことなのですが、もちろん、そういった未来に対する警鐘もあります。
世界の平均余命(男女計)は1950年から2015年の間に、51歳から71歳に約20年も延びました。これが2050年までにさらに7歳近く延びて78歳近くになると予想されています。日本では2050年までに83.3歳から88.1歳に延びると予想されています。
さて、その記事の中で最後に書いてあった文章を紹介して結びたいと思います。
急激な人口変動に対してさまざまな警鐘が鳴らされているが、国民の間にもうひとつ危機感が感じられない。それがもっとも大きな問題かもしれない。
参考:「ここまで進化した医療の最先端~再生医療がもたらしたもの~」
ICチップを飲み、体内情報発信
自分ががん患者になったことで実感した、医療の驚くべき進化 医者が体験した「治る治療」