ゲーム障害は病気。WHOによる認定
世界保健機構(WHO)は5/25に行われた第72回世界保健総会にて、ゲーム障害を新たに病気として認定した。
具体的には、ゲームをする頻度や長さ、始めたりやめたりするタイミングなどをみずからコントロールすることができず、健康を損なうなどの影響が出ているにもかかわらず、ゲームを続けてしまう状態を指しています。こうした現象が、原則、少なくとも1年以上続き、家族関係や社会的な生活に影響を及ぼしている状態を「ゲーム障害」として障害のひとつに位置づけました。
国際疾病分類の第11回改訂版(ICD11)に加えられることで、医師の診断結果としてカルテに記載される。また、厚生労働省の統計情報に分類項目として加えられるため、データが蓄積して研究が進むことが期待される。
参考:厚生労働省 報道発表資料
─ YODOQの見方───────────────────────────
今回のICDの変更では性同一性障害の扱いも変更されている。これまで「精神疾患」の一部として扱われていたものが、「性の健康に関連する状態」の「性別不合」となる。
ICDの変更は1900年から約10年間隔で行われてきているが、近年は更新間隔が広くなってきている。
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ICD8 1965
ICD9 1975
ICD10 1990
ICD11 2019
参考:厚生労働省 資料 世界と日本におけるICDの動向(PDFファイル)
全ての疾患を網羅し、重複がないように分類したICDはその時代の世界の国々が疾患をどのように捉え、対応しようとしているかをよく表している。
今回の改定では新しい病原菌の発見などによる更新ではなく、文化が作り出す疾患(ゲーム障害)や疾患をとらえる文化(性別不合)など文化と疾患の関係が印象的だ。
「ゲーム」という言葉は本来「勝敗を決めるもの」の意味で、球技などのスポーツ、チェスや将棋などのボードゲームなど広範囲を示すが、ICD11ではゲームは「デジタルゲーム、ビデオゲーム」を指すとされている。単に言葉の使われ方だけでも、デジタルゲームの文化に対する存在感、影響の大きさが見てとれる。