連絡厳禁「山ごもり休暇」
株式会社ロックオンは会社との接触を一切禁じる独自の長期休暇を導入しました。その名も「山ごもり休暇」です。
社員のリフレッシュなどが目的でつくられた制度ですが、長期休暇に備え、引き継ぎも徹底します。資料の場所、システムエラーが起きた際の対応手順、仕事の進捗状況が記されており、結果として誰が休んでも円滑に業務が進む、しなやかな組織を作り上げました。
今や、引継ぎの徹底のおかげで、休みやすさに加え、配置転換もしやすくなったそうです。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46351220Q9A620C1AA1P00/
─ YODOQの見方───────────────────────────
「休暇」ではなく、「引継ぎ」に密接に関わる「属人化」について、触れようと思います。属人化とは、文字どおり「仕事が人に属している状態」のことで、業務を特定の人だけが担当し、結果、その人にしかやり方がわからない状態のことです。
■仕事が属人化することの問題点
・特定の人に仕事が集中し、その人がボトルネックになる
・その人が休んだ途端に仕事が滞留する
・他の人が仕事を行うと、手違いや作業漏れが発生する
・無駄な手順があっても、他の人が改善できない
・仕事の引継ぎを簡単に行えない
■なぜ仕事が属人化するのか
・高いスキルが必要な仕事で対応できる人が限定される
・仕事が忙しくて自分でやったほうが早い
・属人化することで自分の立場を守りたい
属人化解消にあたり、今回は標準化や手順書作成といったよく書かれている方法以外の案がないか調べました。
1.サブ担当をつくり、仕事をシェアする
主担当の業務70%、サブ担当の業務30%くらいの割合で仕事をシェアし合うことで、副次的効果としては同じ業務を2名以上で行うことから、コミュニケーションが活性化し、メンバー同士の関係性が深まります。
2.チーム内コンシェルジュをつくる
コンシェルジュ(業務を限定せず、様々な動きをしてくれる人)として、忙しいところのヘルプをする係になってもらいます。
様々な業務のヘルプをするので、その職場で「だいたい、どの業務も分かる人」になります。
3.思い切って仕事をシャッフルする
1~2年に1度、完全に仕事の担当を入れ替えてしまうという方法です。
引継ぎや、業務を始めたばかりの頃は大変ですが、「前担当」が同じ職場にいますので、わからないことがあってもすぐに聞くことができます。
数年たって、担当をいくつか経験すると、そのチーム全員が「どの業務でもできる」状況になっています。副次的効果としては、ミーティングの際にお互いの業務に口出しができるので、業務の改善が進みます。また、「周りの人もこの業務を分かっている」という緊張感から、手が抜けなくなりますね。