楽天ペイの障害、原因は「楽天カードの復旧作業」
楽天は11月26日、スマートフォン決済サービス「楽天ペイ」で25日に発生した障害の原因を明らかにした。
23日から不具合が発生しているクレジットカード「楽天カード」の復旧作業中、楽天カードのシステムが不安定な状態に陥り、楽天ペイにも影響が広がる恐れがあったことから、サービスを停止したという。楽天ペイと楽天カードでは23日にも障害が発生。
九州電力の子会社「QTnetが運営し、楽天カードのシステムを稼働させているデータセンターの電源が一部ダウンしたことが原因だった。【株式会社QTnetの発表】
電源設備の取替作業時に、受電用屋内設備の分電盤において、何らかの理由により過電流検知機能が動作し、受電系が常用から予備に切り替わり、切替時間(数秒以内と推定)の間にお客さまのサーバ類が電源を失って停止致しました。楽天ペイは23日中に復旧したが、25日午前9時半ごろから再び使えない状態になった。
楽天カードの広報担当者によると、楽天カードの復旧を進める過程で、決済代行システムが不安定な状態に陥った。楽天ペイのユーザーの中には、支払い手段として楽天カードをひも付けている場合も多い。そのため同社は影響が広がることを懸念し、楽天ペイのサービスを一時停止したという。
その後、楽天ペイは25日午後2時すぎに復旧したが、楽天カードの一部機能は利用できない状態が続いた。楽天以外でも
・福岡県庁
・福岡県立図書館
・九州電力株式会社(他約260社)
など同じデータセンターを利用していたサービスが不具合となっていたようです。
引用:<IT Media News>
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/26/news094.html
─ YODOQの見方───────────────────────────
キャッシュレス・ポイント還元で普及し始めたキャッシュレスサービスの今後について、考えてみたいと思います。
記憶に新しいところでは7pay(セブンペイ)のセキュリティの甘さによる不正利用によるサービス終了、paypayの昨年の不正利用問題や今年のシステムトラブルなど大手企業のサービスがこうも立て続けに障害を発生させ、また復旧に時間が掛かったり、その後の対応が悪かったりなど悪い側面が非常に浮き彫りとなった1年間だったと思います。
全ての原因ではないものの、キャッシュレス・ポイント還元のサービス開始の準備が十分に整わないまま、政府が増税タイミングに合わせて進めたこと、各社のサービスを十分に検証出来ないままスタートしてしまったことがまず一つ目に上げらます。
他にも、paypayに始まる各社の競争激化により、サービス開始を急いだことも要因の一つ。
そして、キャッシュレスに限らずですが、クラウドサービスなど各社がデータセンターに任せきりになってしまっている点にあるのではないかと思います。
確かに、専門的にインフラを見てくれるデータセンターに任せているのだから大丈夫だろうと思っているところがあるかと思いますが、予期せぬハード障害が発生した時の原因特定・復旧のロールプレイングが十分でなかったのではないかと思います。
我々も、ハード障害に直面することが稀にありますが、サービスインする前や開発中は考える余裕がありませんし、その予算も十分に取られていないので対策が不十分なところは多々あります。改めて、システム安定稼働の難しさを考えさせられました。
とはいえ、キャッシュレス化の波と消費者への還元はまだまだ始まったばかりで、この年末も国が追加予算1000億円以上もの投入を決めたそうです。
これらの障害を教訓にして、完全とは言わないまでもサービスが安定していき、世の中が発展していくのではと思います。
この先も同種の障害や災害等による障害なども起こる可能性がある為、ユーザー側としては一つのサービスに頼らず、何かあっても別のサービスで対応できるようにしておくことが必要ですね。