製造業のシステムとは、主に生産管理システムです。
生産作業をシステム化する目的とは、おおむね以下のことを実現したい
為に行います。
1、納期回答・・・顧客にいつ納品できるかを回答する。
2、在庫管理・・・効率のよい在庫を把握することで、余分な在庫を持たない。
3、工程管理・・・製造がどこまで進行しているかを明らかにする。
4、原価管理・・・物をつくる為のコストを明らかにし、売値の設定、利益の予測につなげる。
5、トレーサビリティ・・・不良が出た場合に、その影響範囲を特定する。
これはどの製造業であっても、把握したい内容です。
しかし、これが、多くの中小企業では実現できていない状況にあります。
その理由として、もっとも大きな理由はシステムが高価な点にあります。
生産管理システムはいくら安いとしても、数百万は構築にかかるのが普通です。
このコストを上回る利益をシステム導入によってはじき出すことは難しいのが現実です。
もう一つの大きな理由は、システムが無くても業務が回っていることが大きなポイントです。
ようは、業務を継続する為に、システムなんて無くても大丈夫なところに大きな問題があります。
上記もどれも、知りたいですが、知れなかったら仕事にならないわけではありません。
知りたい為に、現状よりも入力手間のかかることは現場では負担でしかありません。
会社の運営コストが高く、倒産しかけているような状況が無い限り、本気で導入しようという機運になることは難しいともいえます。
業務の効率化を求めるというトップの強い意志が無いと、なかなかうまくいかないことを多くのプロジェクトで体験しました。
システム会社にとって、こまめに資料にて確認し、承認をとりながら進めていて
も、結局納品して習慣的に使われなければ、「使えないシステム」と片づけられ
評価が落ちたり、ひどい時にはお金を払ってくれない場合があります。
- 負荷の無い、使いやすいユーザインターフェイス
- 説得根拠を提示できる高い業務知識
- 熱意
これらがある程度そろっている人材が必要とされるが、なかなかそれがいないこと
がさらに製造業のシステム開発を難しくしているのではと思います。
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